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小学校の先生を120%楽しむ毎日

小学校教員の日々の振り返り。教員志望の学生さん、同業の方、保護者の方、教育に興味のあるすべての方へ。

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【探究と探究でないものを分かつものは?~這いまわる経験主義に陥らないための考察と整理】 | こたえのない学校

 

 

以下引用

 

 

<いろいろな探究のレベル>

さらに探究といってもいろいろなレベルがあります。

この表によると探究にはレベルがあり、1から4に従ってだんだんに非構成になっていきます。

 

たとえば、レベル1で一番構成力のつよい「確認としての探究」のイメージは以下のようなものです

 

 

 

ここでは一応探究のプロセスは踏んでいますが、①の問いや仮説、②の手順、③の結果も定まっています。教科書に基づいた理科の実験などでよくある、問いも実験手順のテキストで示されており、すでに示された手順を追うようなものです。(ちなみにデューイの定義からすると、確認の探究は不確定な状況からスタートしていないので、このやり方は「探究」とは言えないことになります)

次のレベル、構成された探究のイメージはこちらです。

 

 

 

こちらは、①の問いや②のプロセスもある程度教師のほうが見通しを立てています。その単元を探究のサイクルの中で学ぶために、いろいろな活動がスタート時点である程度デザインされています。「確認としての探究」との一番の違いは、生徒が可能な限り探究のサイクルを自分で回せるように、教師は環境設定と、ファシリテーションに徹するようになる部分です。

国際バカロレア初等教育プログラム(PYP)は自らのフレームワークを「構成された探究(Structured Inquiry)」であるとしています。私が見学した多くのPBL校でも特に初等教育ではこの方式がとられていました。例えば「問い」をベースに探究学習を組むのであれば、「大きな問い」の枝としての「小さな問い」をあらかじめ設定してスタートします。こうした学校では、だんだんに構成されたものから非構成なものに手を放していき、高校生くらいになったら自分で課題設定や取り組みたい概念(つまり探究の軸)を設定し、それに応じた「問い」や「仮説」を立てて後に説明するオープンな探究ができるように育てようとします。

 

次のレベルは、「ガイドされた探究」です。

 

 

 

こちらは領域や軸はある程度決めておくが、プロセスがオープンであり、子どもたちの興味によってダイナミックに探究が動いていくところが「構成された探究」と大きく違います。イエナプランのワールドオリエンテーションは、はじめにリアルな対象物を見せ、子どもたちの興味と好奇心を喚起して、その中でネクストステップを教師がデザインしていきます。レッジョ・エミリアもこの形ですが、こうした方法は子どもたちをよく観察し、何を学ぼうとしているのかをその時その時によく見ていなければなりませんので、卓越した観察力(見取り)と軸の設定能力、また複数の子どもを同じプロジェクトに導くマネジメント力など非常に多岐にわたる教師の力量が試されます。

 

最後にオープンな探究です。

 

 

 

これはそもそも子どもが興味を持った内容で、自ら問いや仮説を立て、活動を設計し、探究を深めていくものです。ライティングワークショップなど、子どもが持てるスキルをベースに行う活動や、リサーチ力を含め、複雑な課題や大きな問いに対応できるようになってきた年齢に到達した時に実施すると大変パワフルなやり方です。ホームスクールなどで、子どもの興味を見極めた保護者がとことん付き合ってあげるケースもこちらになります。ただ、小学生くらいで複数の子どもがいるクラス環境でテーマだけ渡して好き勝手にやりなさい、となってしまうと深める力やリサーチ力などのスキルを上げるには適さないため注意が必要です。

 

また、実は「遊び」も私はオープンな探究と私はとらえています。

 

 

子どもたちが(特に大人が介入しない場で)遊ぶ姿を観察するとよく分かりますが、子どもたちは集まって、「何をしようか」と始まります。だれかが楽しい遊びを思いつき、それをみんなで遊び、改善したり改変したりして遊び続けます。幼児期だと一人で遊んでいるところに他の子どもたちが集まってくることもあります。そして、つまらなくなると、なんとなくバラバラになり、また新しい遊びを考えだして遊ぶの繰り返しです。これが探究のプロセスでなくて何なのでしょう。そして、その軸は「楽しさ(Fun!)」です。当人たちは当然ながらそれを探究だなんて思ってはいないでしょう。でも楽しさを軸に自走する力強さは、学校でやる探究とはまた違ったものがあります。そして実は仕事を楽しむ大人にもこの探究の形がみられると思っています。「仕事=遊び」の人たちですね。