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小学校の先生を120%楽しむ毎日

小学校教員の日々の振り返り。教員志望の学生さん、同業の方、保護者の方、教育に興味のあるすべての方へ。

あゆみ

通知票

通信簿

 

私の勤務校は二期制です。

この時期はみな、仕事は所見欄のチェックに余念がありません。

 

ダブルチェックどころか、トリプルチェックもします。

 

膨大な時間と労力をかけて一人一人真心こめて作ります。

 

この時期は休日出勤当たり前。勤務時間を大幅に超え、夜遅くまで残る先生が多数です。

 

私も初任の頃は夏休み中に所見を終わらせ、何度も先輩の先生にチェックしてもらい、なかなかOKが出ず、毎日夜遅くまで残って所見を書き直していました。

しかも当時は手書きですからね。ワードに打ち込んだ文を転記するという作業もありました。今では考えられません。

 

しかし、なんと今は所見欄なしの学校もあるとか。さらに、通知票は渡さずに面談で学習状況について話して終わりという学校もあるそうです。

 

保護者や子どもからすると通知票をもらえた方が嬉しいでしょうし、私としても是非渡したいところです。

 

 

が!

 

今のご時世を考えると、やめた方が子どもたちのためでしょうね。

 

所見に誤字脱字があるとすぐに新聞に載るんですから。

あり得ないくらいチェックしてますよ。どんだけ労力かけるの?ってくらい。

 

学年の先生たちでダブルチェック。

からの

管理職のチェック。

 

で、このチェックも毎回違うところにチェックが入る。このときは、この字は漢字で使う。平仮名で使う。

この文の言い回しは保護者にどんな印象を与えるか。

結局、みる人によって直すところが違うんですよね。そのため、都合3回書き直します。

 

こんなことしてるので、本来授業準備に全力を注ぐはずの放課後がなくなります。

はっきり言って、この時期の先生方の授業のクオリティーは絶対に下がっているはずです。

 

なんか、本末転倒ですよね。

 

通信簿の起源って、もっと温かいものだったんじゃないだろうか?子どもの学校の様子を親に伝えてあげたい、という思いだけで書いていたはず。学級通信に毛が生えたようなものだったのではないかな。

 

もちろん、何度も見直して綺麗な字で精一杯の言葉を紡ぎ出し、子どもに渡していたんだろう。

 

それを今は、

「お客様に何か失礼がないように!」

 

というノリで、必死な形相で所見のチェックをしている。

なんだか違うよなあと思う。

 

ますます、保護者との距離が遠くなる。

保護者とパートナーシップを築こうとする発想がなくなる。

保護者はお客様で、自分は完璧なサービスをして当たり前という発想になる。

 

通信簿の誤記載が新聞に載るような、ミスに不寛容な世の中は実に息苦しい。

 

誰もが他人のミスに目を光らせ、少しでもミスをするとそれ見たことかと、批判する。

 

理科専科時代、学級崩壊したクラスで授業した時のことを思い出す。

班で実験をしているとき、一生懸命に作業に取り組んでいる子がガラスの器具を割った。それを見てクラスをめちゃくちゃにしている男子が「お前さあ、もっとちゃんとやれよ!次俺にやらせろ」と言い放った。言われた子は黙ってその男子に実験を任せたが、その後その男子の一挙一動を睨んでいるかのように見つめていた。自分と同じようなミスをしろと思っていたのではないだろうか。

 

なんだか、その時の情景と今の世の中の雰囲気が重なる。そして、その時と同じ憤りを感じている。

 

あ互いが頑張りを認めずに監視し合う。

お互いがお互いの抱える事情なんか御構い無しで非難しあい、憎み合う。

そんなピリピリした空気感。

似ている。

 

 

そういう雰囲気の中では、いつしか誰かに喜んでもらうために仕事をするのではなく、自分のため、保身のために仕事をすることになる。

 

保身のために仕事をしている限り、子どもたちに素敵な未来は語れない。

 

「世の中は厳しい。」

「社会の荒波が…」

 

なんていう脅し文句を並べ、挙げ句の果ては

「『やらなければならないこと』をたくさん背負う。それが大人というものだ。」

 

なんてことを決め台詞として言い切る先生たち。結構いませんか。私はそんな先生でした。

 

アホか。

 

自分で勝手に思考停止して、何でもかんでも「やらなければいけない」と思い込んで、人にも「やらなければいけない」と押し付ける。

 

 

こうしてまた不寛容な社会が拡大していく。

 

 

 

教師がまず働き方を変えること。

「限られた時間の中で」子どものために何をしたいのかをひたすら問い続けたい。

 

 

登校児童の交通整備なんて学校は引き受けるなよ。登下校の問題まで背負い込むな!

部活の顧問はやりたい人だけやらんかい!

 

勤務時間外の仕事を当然のようにしてはならんでしょうよ。

 

子どもに残業はして当たり前。就業時間なんてあってないようなもの。

そういう刷り込みをしてはダメだ。

 

学校は毅然とした態度で、保護者に伝えていくべきだ。

 

「限られた時間でベストを尽くす!」

 

と。